生体組織・工業材料の微視構造観察に基づいた力学評価と強度改善法の提案

内容

 骨、木のような自然構造物には自重や外力など力学的な負荷が作用します。
 モノが壊れる時に構造物にはどのような力が働き、どのように変形し、破壊に至るのでしょうか。
 我々は巨視的な構造に働く力の計測・解析と微視的な破壊現象の観察から、材料の強度を評価し、改善する方法を提案していきます。物体に外力が作用すると物体内部を荷重が伝わり、やがて支持部に到達します。その経路の途中に介在物や欠陥など構造の不均一部が存在すると、力の集中(応力集中)が発生し、破壊の起点となることが知られています。
 人の骨にも微細な血管や細胞の穴、異種組織の境界が数多く存在します。このような構造に作用する応力集中を回避できれば、骨の破壊、すなわち、骨折の予防につながります。
 本研究室では骨の微視組織を観察・分析し、破壊リスクの高い部分を意図的に除去したり、軟化させたり、修復したりすることで、骨折リスクを減らす方法を検討しています。