親の養育行動と発達障がい児の内在化・外在化問題との関連

内容

 わが国では親の養育行動と子どもの発達障がい特性や二次障害への影響について実態調査を行い、関連を見出すような実証研究は行われていません。そこで弘前市における5歳児発達健診を基点とする発達コホートにおいて、要観察となった幼児の保護者に対して質問紙調査を行い、親の養育行動と幼児の発達特性および向社会的行動、内在化・外在化問題との関連について横断的検証から明らかにすることで、発達障がいにおける二次障害の予防に寄与する知見を提供することに取り組みました。肯定的・否定的養育行動尺度として、国際的に使用されているAlabama Parenting Questionanaire、Parental Bonding Instrumentなどの因子項目を参考にしています。尺度は35項目、二次因子構造となっており、一次因子として肯定的行動と否定的行動、二次因子として肯定的行動の下位に「関与・見守り」「肯定的応答」「意思の尊重」の3因子、否定的行動の下位に「過干渉」「非一貫性」「厳しい叱責・体罰」の3因子が設定されています。