室温基板上に究極の薄膜加工ができる電子サイクロトロン共鳴プラズマ

内容

磁場の回りを円運動する電子の周波数と、外部から投入する電磁波の周波数を一致させると、共鳴により電子は高速に回転運動をします(電子サイクロトロン共鳴、ECR)。ECRプラズマ法は、低エネルギー・大電流のイオンを試料表面に輸送するイオン衝突効果により、室温で高温成膜に匹敵する薄膜を形成できることが特徴です。レーザー端面の多層膜ミラー、通信用光分波フィルタ(1)など光学分野、次世代半導体MISゲート膜(2)やバリア膜など電子工学分野に広く活用できます。また、緻密高品質の特徴を活かして耐湿保護膜など電子部品一般にも適用できる効果の大きな汎用成膜技術です。
(1)Y. Jin, M. Shimada, T. Ono, J. Vac. Sci. & Technol. A22(6), pp.2431-2436 (2004).
(2)Y. Fukuda, Y. Yazaki, Y. Otani, T. Sato, H. Toyota, T. Ono, IEEE Trans. Electron Devices 57(1), pp.282-287 (2010).