弘前大学 研究・イノベーション推進機構 学術講演会「サル化する人間社会」を開催しました。

日時 平成29年5月11日(木)15:30~17:00
場所 弘前大学創立50周年記念会館 みちのくホール
内容

弘前大学研究・イノベーション推進機構は,平成29年5月11日(木)に弘前大学創立50周年記念会館において学術講演会を開催しました。

今回は,京都大学 第26代総長 山極 壽一 氏を講師に迎え,「サル化する人間社会」と題し御講演いただきました。

講演開始と同時に学生が山極氏に呼びかけを行い,山極氏が返した言葉はゴリラの言葉「ォオ!!ォオ!!」。

これには参加者が思わず笑ってしまい,若干緊張があった場内でしたが,和やかに講演がスタートしました。

講演では,山極氏本人も出演されているアフリカで撮影したゴリラの動画を時折まじえながら,ゴリラの行動や生態についてお話しがありました。

その中で,サルは群れの中で序列があり,強いサルが食べ物を奪っていくというルールがあることに対し,ゴリラは群れの中で強いオスが食べ物を分配し,車座を組んで同じ物を食べることを紹介しました。また,片腕をなくした子どものゴリラに対し,リーダーのオスゴリラが気づかう様子を動画で流し,これはゴリラにみられる「共感力」であると紹介した上で,「ヒトは進化とともに高い「共感力」を獲得してきたが,近年は「共感力」が軽薄化していて,家族をはじめ人間同士のつながりが薄くなり,「共感力」をあまり使わないルールだけに頼る閉鎖的な社会になってしまう。」と警鐘を鳴らしました。

情報化社会は良いことばかりでもなく悪いことばかりでもない,と情報化社会のメリットとデメリットを挙げ,これからは情報技術を利用しながらも,人間がもつ五感を使った交流を決して忘れてはならない,と御講演されました。

300名を超える参加者は,山極氏の御講演を真剣に聞き入り,ゴリラをはじめとする霊長類の知識を深めるとともに,水準の高い学びを得る有意義な場となりました。

 

お詫び

 

主催 弘前大学 研究・イノベーション推進機構
来場者 約300名